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論文読んだ(1)

タイトル:Impact of grazing kivestock and distance from water source on soil fertility in southern Mongolia (著者:Stummp et al.,雑誌:Mounatain Research and Development)

読みました。あんま中身がなかったのでつるつると読んだ感じ。やっぱ雑誌のデザイン買えてからこの雑誌はレベル下がってるな。これを狙い目と思うのは我ながら志が低いなー。

概要は,モンゴルの牧畜地域の井戸周りで土壌や植生にどんな影響があるかということ。データの取り方は,営地近くの井戸から距離を置きながら「家畜糞数」,「植生」,「土壌成分」を調査したもの。

結果として,家畜糞数は井戸周りでの家畜の活動の多さを表していただろう。しかし,植生と土壌に関しては,家畜の活動が多い井戸周りだからといってそんなにdegradationしてるとは言えないそうだ。結局その理由を非平衡だからと持っていっている。

うーん,そうなのかというのが正直な感想。平衡-非平衡の議論は現在,スケールをどうやって取り込むかという部分だと思う。降水量は少ないからって放牧地の全部が全部,不安定な放牧地というわけではあるまい。で,井戸周りってやっぱり降水量と関係なく植生が安定してる場所ってのもあると思う。例えば,枯れ川に掘られた井戸とかね。その周りはある程度安定した植生を維持できていて,そこは平衡系になる可能性がある。つまり,牧民にとっては干害のときてでも利用できる貴重なエサ場になるってことだ。

まー,この論文での調査地はそうじゃなかったってことだろうけど,もしそういう場所であったなら,深刻な荒廃の影響を受けていたかも知れない。やっぱり,放牧地内での水場を単に同じカテゴリーで扱うだけでなく,そこに水があることで不安定な生態系にどれくらい安定したスポットになっているかということが重要ではないだろうか。

論文の最後ではスケールの話に多少触れているが,特に広がりをもつものでないのが残念。やっぱり考察のダサさは雑誌のレベルを表しているのだろう。

もっと頑張らねば。
by shanggelila | 2007-02-22 14:56 | 研究
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