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あれも欲しい,これも欲しい

[代理出産]「国民的な合意形成が必要だ」(読売新聞ネット社説)

今朝のテレビで評論家の江川紹子さんが,「最高裁が代理出産における卵子提供者を母親と認めない」という判決に対して,「子供のことを考えると残念な判決ですね」と述べていた。個人が代理母出産をおこなおうと,それに対してどうコメントしようと勝手だが。少しおかしな理論だなーとも感じた。

別にこの対象となっている子供達は不可抗力で生まれてきたわけではあるまい。母親本人も判決の前に「子供達の幸せのためにも・・・」と言っていたが,そういう存在を生み出したのは彼ら自身だろう。自らの行為によって生まれた子供達を逆手に取って,「子供たちのために」というのはいかがだろう。本当に子供の幸せを考えるというのならば,その前提となる行為をおこなう時点で考慮すべきだろう。

ヒトがどのように生まれてくるかは生命の尊厳に関わる重要な問題だろう。この当該事例の子供達の戸籍の問題もこれと密接に関わっている問題であろう。こういう議論に関してはすっ飛ばしておきながら,アメリカに行くことで現実を進行させ,その結果として生じた存在を人質に取って「子供達の幸せ」を社会に問う。

あまりにもえげつないやり手弁護士の戦略を見ているような気もする。

「自分」という形容詞をもつ存在に対する限りない愛情と,それを持たない存在に対する無関心,あるいは嫌悪。以前は自然や社会の摂理という壁が存在しており,「自分」への執着を妨げてきたが,その壁を乗り越える手段を人間が獲得したということか。
by shanggelila | 2007-03-25 11:41 | たわごと
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